穿刺がうまくいく日の共通点
- クリニック 登戸
- 1 日前
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こんにちは。透析室で臨床工学技士として勤務している宇佐美です。今回は、透析の最初の場面である「穿刺(せんし)」について、“うまくいく日”に共通するポイントをまとめます。
穿刺は、スタッフの技術だけで決まるものではありません。実は、患者さんのちょっとした準備や伝え方が合わさることで、よりスムーズになり、痛みや不安が減り、安全にもつながります。特に2月は冷えやすい時期。血管の状態にも影響が出やすいので、季節感も踏まえてお話しします。
1)姿勢と「温め」が整うと、穿刺は成功しやすい
穿刺がうまくいく日には、まず共通して「条件」が整っています。代表的なのが 姿勢 と 保温 です。
●姿勢:腕と体の力が抜けている
腕に力が入ると血管が分かりにくくなったり、穿刺中に動きやすくなります。肘や肩の力を抜き、腕が安定する位置に置けると、それだけで穿刺はスムーズになります。
腕が浮かないようにクッションやタオルで支える
目線は無理に穿刺部位を見続けなくてOK(緊張で力が入ることがあります)
痛みや不安がある日は「今日は少し緊張してます」と一言だけでも助かります
●保温:2月は“血管が出にくい日”が増えます
寒い時期は血管が収縮しやすく、普段より血管が触れにくくなることがあります。可能な範囲で、穿刺側の腕を温めて来院できると助かることがあります。
透析室に来るまで腕が冷えないように上着で覆う
手首〜前腕を冷やさない(手袋や袖口の工夫)
温めの方法は施設の案内に合わせてください
※温めの具体策は、患者さんの状態や施設ルールで変わるため、迷った場合はスタッフに確認してください。
2)痛みの伝え方で、穿刺の精度は上がります
穿刺のとき、痛みを我慢してしまう方がいます。ただ、痛みの情報は「わがまま」ではなく、安全に穿刺するための大切な情報です。
たとえば、こんな伝え方だとスタッフが判断しやすくなります。
「刺した瞬間にズキッとした」
「奥の方がジーンとする」
「いつもの場所より少し外側が痛い」
「前回、終わったあとに青あざが残った」
逆に、我慢して何も言わないと、違和感の原因を見逃しやすくなります。「痛いです」だけでも十分ですし、余裕があれば“どんな痛みか”を一言添えてください。
3)不安が強い日は、先に共有すると安心につながる
穿刺は、体だけでなく気持ちの影響も受けます。不安が強いと緊張で力が入り、結果として穿刺が難しくなることがあります。
こんな日は、遠慮なく言葉にしてください。
「今日は怖いです」
「最近、穿刺が痛かった日があって…」
「前回うまくいかなかったのが気になってます」
スタッフ側は、そう言ってもらえると声かけを増やす/ゆっくり進める/体勢を調整する/別の方法を検討するなど、対応を組み立てやすくなります。
まとめ:穿刺は“共同作業”。小さな工夫が大きな安心に
穿刺がうまくいく日の共通点は、特別なことではありません。
腕が安定して、力が抜けている
2月は冷え対策で血管が出やすくなることがある
痛みや違和感を一言でも伝える
不安がある日は、先に共有する
これらがそろうと、穿刺の安全性と安心感が高まります。気になることがある日は、いつでもスタッフにお声かけください。一緒により良い方法を考えていきましょう。
*お知らせ:ポータブル超音波診断装置を導入しました
当院では先日、ポータブル超音波診断装置を導入しました。透析医療の現場では、血管の状態を把握することがとても大切です。超音波は体に負担の少ない検査で、必要に応じて血管の状態確認などに活用していきます。今後も、患者さんにとってより安心・安全な透析環境を整えられるよう、スタッフ一同取り組んでまいります。

