top of page

​高血圧

高血圧とは

高血圧は、血圧が慢性的に高い状態を指します。具体的には診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上、あるいは家庭で測定した血圧が135/85mmHgを越えて高くなると高血圧の診断になります。日本では成人の3人に1人が高血圧とされ、特に中高年では非常に身近な病気です。しかし、症状がないまま進行するため「気づいた時には合併症が進んでいた」ということも珍しくありません。

登戸クリニック
放置するとどうなる?

高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼ばれる病気です。血圧が高い状態を長年放置し続けると血管の壁に圧力がかかって血管壁が厚く硬くなり、血管内腔が細くなることで動脈硬化へとつながります。そして気付かないうちに心臓や脳、腎臓などに大きな負担をかけます。そのまま放置するとよく聞く以下の病気のリスクが高まります。

脳卒中(脳出血・脳梗塞)

心筋梗塞・狭心症

心不全

腎不全(進行すると人工透析や腎移植が必要)

特に血圧が高いほど脳卒中や心臓病のリスクは直線的に増加します。たとえば収縮期血圧が135mmHgを超えると、120mmHg未満の人と比べて 脳卒中リスクは約1.5倍。さらに、放置した場合の10年間の心血管イベント(脳卒中や心筋梗塞など)発生率は 約2倍以上 に増えると報告されています。

高血圧の原因

高血圧はその原因により、本態性高血圧と二次性高血圧に分けられます。

1.本態性高血圧の原因

一般的に、高血圧は本態性高血圧のことを指し、日本人の高血圧の大半を占めます。本態性高血圧の原因は多岐にわたっており、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙といった生活習慣、加齢、遺伝的な要因などが組み合わさって発生していると考えられています。特に重要なのが食塩の過剰摂取で、日本で高血圧が多く、脳卒中が多発した原因と考えられています。日本人の食塩摂取量は依然として多く、食塩摂取量を減らすことで血圧の水準を下げることができると考えられています。また、近年では肥満に伴う高血圧も増加していると報告されています。

2.二次性高血圧の原因

二次性高血圧とは、何らかの病気が原因となって起こる高血圧のことです。二次性高血圧の原因には、腎実質性高血圧、腎血管性高血圧、内分泌性高血圧(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)、睡眠時無呼吸症候群、遺伝性高血圧、薬剤誘発性高血圧などがあります。

治療で寿命は延びる

大規模臨床研究で、降圧治療によって 脳卒中は約40%、心筋梗塞は約20%減少 することが明らかになっています。つまり「血圧を下げる」ことは、寿命を延ばすことに直結しているのです。

治療方法

高血圧治療の目的は、高血圧が続くことによって引き起こされる脳卒中・心筋梗塞などの合併症の発症、進行を防ぐことです。高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物治療の2つによって行われます。
まずは、高血圧に関与している塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙など生活習慣を見直すことで血圧の改善が期待できます。

1.生活習慣の改善

生活習慣の改善では、以下のようなことが推奨されます。

  • 塩分は6g/日未満に控えます

  • 野菜や果物を積極的にとり、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控えましょう
    ※腎障害の方は、野菜や果物の積極的な摂取により高カリウム血症を引き起こし、不整脈を発症することがあるため推奨されません。
    ※糖尿病の方は、果物により摂取カロリーの増加につながることもあるので推奨されません。

  • 適正体重を維持します。BMIが25未満が目標です

  • アルコールを控えます

  • 禁煙します

上記の他には冬季などの寒い環境では血圧が上昇するため、十分な暖房や防寒が重要です。また、心理的、社会的ストレスが高まると高血圧の発症が増加するため、休養をしっかりとることや、ヨガなどのリフレッシュも効果があります。

2.薬物治療

生活習慣の改善で血圧が下がらない場合、薬物治療を行います。様々な種類の降圧薬がありますが、病態によっては投与に注意が必要な場合があるため、患者さんそれぞれに合った降圧薬を選ぶことが重要です。一つの薬剤で効果が不十分な場合には、作用機序の異なる複数の降圧薬を組み合わせて使うことで目標血圧を達成していきます。
しかし、血圧はただ『下げればいい』だけではありません。例えば、降圧薬によって急激な血圧低下した際にはふらつきなどの症状が出現することがあります。そのため、患者さんそれぞれの年齢や他の疾患の有無、全身状態に合わせた血圧のコントロールが重要となります。

3.原因となる病気の治療

二次性高血圧であった場合、その原因となる病気によって治療方法はさまざまです。病気の治療によって原因を取り除くことで、血圧が下がる場合もあります。たとえば、内分泌性高血圧は腎臓のそばにある副腎に腫瘍ができ、ホルモンが過剰に分泌されることで起こります。この場合は手術を行うことにより治癒を目指すことが可能です。
また、腎血管性高血圧症は腎動脈が狭くなり、腎臓へ行く血液が少なくなることで起こります。腎動脈が狭くなっている場合には、カテーテル治療で血管の狭くなった部分を広げることで、高血圧が改善されることもあります。

当院でできること

当院では、日常の血圧測定や生活習慣のアドバイスから、必要に応じた薬の処方・調整まで、一人ひとりに合わせた治療を行っています。特に食事はとても重要で、食事を見直すだけで血圧が大きく改善し適性体重に近づくことも期待できます。そのため当院では管理栄養士と普段の食事を無理なく見直し、続けられる食事を一緒に考えます。
また、より精密な検査や手術が必要と考えられるような状況であれば、ご希望の総合病院に速やかに紹介いたします。

高血圧で初めて受診する場合の一般的な流れ
​【初診】

詳細な問診と診察、生活指導を行います。
ご家庭で血圧と体重を測定していただきます。

以下の場合、緊急性を除外するために当日採血と採尿を行うことがあります。

  • 健康診断の結果で腎機能障害や肝機能障害を疑われる場合

  • 受診時の血圧が著しく高い場合

2週間~1か月後
【再診 (1回目)】

ご家庭での血圧や体重の推移を評価します。

  • 必要に応じて管理栄養士による栄養相談をご案内します

  • 脳心血管リスクが高い方は降圧薬を開始します

  • 二次性高血圧が疑われる場合は採血採尿検査とエコー検査を行います

1~3か月後
【再診 (2回目以降)】

ご家庭での血圧や体重の推移を評価します。

必要に応じて栄養相談や採血採尿検査、心電図、超音波検査などをご提案します。

今後の再診間隔の目安
  • 生活習慣の改善のみで血圧が安定している場合・・・・・3~6か月毎

  • 血圧の薬が始まった直後あるいは血圧が不安定な場合・・・・・2週間~1か月毎

  • 薬で血圧が安定した場合・・・・・1~2か月毎

白い花
「健診で高めと言われた」「家で測ると少し高い」
そんな小さな気づきが、大きな病気を防ぐ第一歩です。
未来の健康を守るために、気になる方はぜひ一度ご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

044-933-7600

問合せ時間:8:30~16:30

〒214-0014

神奈川県川崎市多摩区登戸2566-1 GranSoleil登戸1階

小田急線・JR南武線「登戸駅」から徒歩1分

「外来用入口」と「透析用入口」の場所が異なりますので、ご注意ください。

登戸クリニック

※当サイト内に掲載されている一部の写真は、撮影時のみマスクを外して撮影しております。

© 2025 NOBORITO CLINIC.

bottom of page